帰敬式・法名についてのQ&A

帰敬式(ききょうしき)・法名(ほうみょう)についてのQ&A

今日が私の2度目の誕生日

帰敬式(ききょうしき。おかみそりとも言います)とは、三宝(さんぼう)をよりどころとし、法名をいただき、お釈迦さまの弟子として新たな人生の出発をする儀式です。

三宝(さんぼう)とは人生の本当の宝のことです。

1つめの宝「仏」は、人間として本当に深く豊かに生きる道に目覚められたお釈迦さまです。

2つめの宝「法」は、お釈迦さまが説かれた南無阿弥陀仏の教えです。

3つめの宝は「僧」は、お釈迦さまの教えを大切にして生きる人々の仲間です。(ここでは僧伽(サンガ)のことであり、僧侶のことではありません)

私たちは本当の宝を知らないと、どんなにお金や物があっても、健康で長生きしても、本当の幸せを感じることができないのではないでしょうか。お釈迦さまの弟子として教えを聞きながら、深く豊かな人生を生きてゆこうではありませんか。

 

Q&A リーフレットには載せきれなかった質問もこちらに掲載しています

Q.戒名(かいみょう)ではなく法名(ほうみょう)というのはなぜですか?

A.戒名は戒律(かいりつ)を守って修行する人の名です。私たちは出家して厳しい戒律を守る出家信者ではなく、仏さまの教えを聞きながら深く豊かな人生を生きていく在家信者として、お釈迦さまの弟子となります。その証(あかし)として、仏さまの願いがかけられた法名をいただくのです。

 

Q.法名は亡くなった後の名前ではないのですか?

A.教えを聞いていきいきと生きていくことを誓う仏弟子(ぶつでし)としての名前ですので、生きている時にこそいただく名前です。お葬式の時におかみそりをされることがありますが、仏さまの願いがかけられたありがたい法名を本人が知らぬまま亡くなってゆくのは、大変もったいなく、残念なことではないでしょうか。

 

Q.生前に法名をいただくと、不幸なことが起こると聞いたことが…

A.法名を亡くなった人の名前と考えるからそういう迷信が起こるのです。お釈迦さまは、亡くなった人に向かって説法をしたことはありません。私たちが生きている間に、本当に幸せで安らかであってほしいという、お釈迦さまの慈悲のおこころが私たちにかけられています。法名をいただいても、いただかなくても、人間は老・病・死を避けることはできません。だからこそ、生きているうちに老・病・死の苦しみを乗り越える本当の道に出あいたいものです。

 

Q.法名のはじめにつく「釈」「尼」の意味は?

A.法名は、必ず「釈(尼)〇〇」という形になります。これは、お釈迦さまを先生として、その一字をいただいているということです。性別が分かるよう、女性の場合は釈のあとに「尼」の字が入りますが、特に深い意味はありません。

 

Q.法名には俗名の一字を入れるものですか?

A.特に決まりはありません。入っていても良いし、入っていなくとも良いのです。

 

Q.法名はどのように決まりますか?自分の希望する法名にできますか?

A.法名の選定については、住職選定と、本山(東本願寺)選定の2つの方法から選べます。法名についての希望がある場合、住職選定なら住職と相談してみてください。本山選定の場合は「仏説無量寿経」というお経の言葉の中から法名が選ばれますので、希望はできません。

そもそも、法名はペンネームや雅号ではありません。自分の思いを超えて、仏さまから「いただく」ことが大事であり、自分の思いや計らい(わがまま)で決めるものではありません。

 

Q.法名と院号(いんごう)との関係は?

A.院号とは、お寺の護持に特に貢献してくださった方への賞典として授与されるもので、法名とは別物です。現在の制度では、本山へ8万円以上の懇志を納められた方に対して院号が授与されます。あくまでも賞典ですから、生前にいただくこともできます。

 

Q.帰敬式を2回以上受けたり、他宗派の法名・戒名をいただいてもいいのですか?

A.帰敬式を受けるのは人生で1回です。法名・戒名をたくさんもらえばその分功徳があるなどということはありません。いただいた法名とそこにかけられた願いを大切にしながら、教えを聞く人生を歩みましょう。

 

Q.いただいた法名紙はどうすればよいですか?

A.丁寧に保管しておきましょう。お内仏(仏壇)の引き出しの中に入れている人が多いようですが、何より自分の法名を忘れず、かけられた願いに導かれながら教えを聞いていくことが大切ですから、額に入れるなどして目に見える所に飾っておくのも良いでしょう(法名紙専用の額を本山で頒布しています)。

 

Q.帰敬式を受けるとどうなる?何が変わる?

A.帰敬式を受けるということは、お釈迦さまの弟子となるということです。つまりお釈迦さまを先生として、その教えを聞いていく人生が始まります。帰敬式を受けなくとも教えは聞けるではないかと思うかもしれません。しかし、法名をいただいているのといないのとでは、仏弟子の自覚という点で違いが出るのではないでしょうか。入門のため、まず帰敬式を受けることをお勧めします。

 

Q.では、教えを聞いていくとどうなるのですか?

A.教えを聞いていくことは、私が私として、私が人間として生まれたということはどういうことであるのかをたずねていくことでもあります。

教えを聞いていくメリットをあえて表現してみますと、「私の人生をもっと深く生きていくことができる」「意欲を持っていきいきと生きていける」「今まで気づかなかったことに気づかされ、今まで見えなかったことが見えてくる。聞こえなかったことが聞こえてくる」などが言えるかと思います。

 

Q.教えを聞く、というが具体的にどうすれば?

A.教えを聞くにあたっての大切な心構えは、「自分のこととして聞く」ということです。常に、「あなたはどうなのか」と自分のことを言われているつもりで聞いていきましょう。

さて、南無阿弥陀仏の教えを聞いていくことを「聞法(もんぽう)」といいます。具体的にまずは朝晩、家のお内仏(仏壇)の仏さまに手を合わせ、念仏を声に出して称(とな)え、正信偈のお勤めをしましょう。忙しくとも、日に1回は仏さまの前に身をすえることが大切です。念仏申すのも、正信偈を読むのも、実は仏さまの願いと教えを私が聞いていることになるのです。もしアパート暮らしなどでお内仏が置けない場合は、小型の三折本尊等も用意してありますので、富山教務所(℡ 076-421-9770)までお問い合わせください。

つぎに、所属のお寺の行事や聞法会にお参りして、法話を聞きましょう。その後は所属のお寺に限らず、他寺でもよいので法話を聞きに行きましょう。お寺によっては毎月1回以上のペースで聞法会を開いている所もあります。富山別院でも毎月15日に法話がありますので、ぜひお越しください。

また、月参り等の際にでも直接お寺さんに分からないことを質問をされてはどうでしょうか?

それから、東本願寺からも様々な教えに関する本が出版されていますので、読んで学ぶのもよいでしょう。お買い求めの際は、インターネットでの通販(https://higashihonganji-shuppan.jp/)をご利用いただくか、もしくは富山教務所(℡ 076-421-9770)までご連絡ください。

 

帰敬式を受ける方法と費用

①真宗本廟(しんしゅうほんびょう)(東本願寺)での受式

団体参拝や奉仕団で上山したとき、また個人の参拝でも受式できます。詳しくは、所属するお寺や富山教務所へお問い合わせください。

②富山別院報恩講での受式

毎年10月6日~8日に行われている富山別院報恩講の日程中、7日に帰敬式が行われます。9月上旬までに、所属するお寺を通してお申込み下さい。

③住職による受式

詳しくは所属するお寺にお問い合わせください(すべてのお寺で行っているわけではありません)。

 

※受式者お一人様につき冥加金(お礼金)一万円をいただいております。

②と③の受式の場合、他に費用がかかる場合もあります。

 

お問い合わせ

富山教務所 076-421-9770 富山別院 076-421-3272

toyama@higashihonganji.or.jp